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November 2006

16 posts
  • コンテンツ・パッケージングの台頭 on by duke, [Media, Web 2.0] Hatena Bookmark

    すでにあちこちで話題になっているようだが、Bear Stearns が The Long Tail: Why Aggregation & Context and Not (Necessarily) Content are King in Entertainment という分析を発表している。簡単に要約すると、これからはコンテンツ製作者よりもコンテンツパッケージング業者の方が市場を支配する、とでもなるだろうか。 この分析では、コンテンツ市場のプレイヤーを Concent Creation ハリウッド映画会社、UGC など Content Packaging TVネットワーク(日本で言うとキー局か)、Google Concent Distribution 個々のTV局、配信サーバ、ISP など User Interface TV, PC, 携帯デバイス End User ユーザ に分けて分析している。以前から「コンテンツクリエータが重要か、それともディストリビュータが重要か」という議論はあったのだが、今回はディストリビュータとパッケージング業者を分けて捉えている点がポイントだろう。パッケージングとは、コンテンツのアグリゲーションとブランディングを担当する。 そして今回は、コンテンツが再現無く増えてくるとユーザはその選択に迷うことになるので、パッケージング業者によるフィルタリングに頼ることになり、必然的にパッケージング業者の影響力が強くなる、と分析している。確かに、長いロングテイルの中から自分の望むものを見つけてくるためには、何らかのフィルタが必要で、その需要は今後もっと大きくなるだろう。 改めて考えると「なんだ当たり前じゃないか」と言いたくなるような話なのだが、当たり前と思われることを実証するというのも重要である。今回の分析でも、過去のアメリカのTV業界の歴史がその筋書きの通りに動いてきたといった例証もあって、なかなかに興味深い。読んでいて、いろいろと思索を刺激される内容だった。 まず、資料の中には「Economy of Abundance によってかかる状況がもたらされる」との言及がある。Economy of Abundance が Attention Economy と密接に関わっているという指摘は以前からあったが、まさにその話である。商品の供給がどんなに増えようと、アテンションという資源だけは有限のままであり、その奪い合いには結局 Economy of Scarcity の法則が適用される、ということになるのだろう。 このことを一般化すると次のように言えるのではなかろうか。Economy of Abundance が始まってしまった市場はビジネスとして衰退し、利益を求めての競争のフォーカスは Scarcity の残っている市場へと移る おお、我ながら良い考察ではないか、と思ったのだが、よくよく考えてみたらビジネスにおける普通の常識と同じだった。新しいことを発見するというのは難しいものだ。 次に、CGM の位置づけについて。UGC の C は Content なので Content Creation に分類されるのが正しいが、メディアとしての [...]

  • 接続不調 on by nakanohito, [SiteAdmin] Hatena Bookmark

    rauru-block.org のネット接続が不調を極めており、サーバがなかなかつながりにくくなってご迷惑をおかけしております。たぶんマンション内のVDSL装置のどこかに原因があると睨んでおります。

  • Side-Channel 攻撃で暗号を破る on by ultraviolet, [PC, Security] Hatena Bookmark

    先週末から今週頭にかけて RSA 暗号に対する攻撃方法という触れ込みでのニュースが slashdot.org とか slashdot.jp で盛り上がってたとゆう話に、いまさらながら気づきました。ごめん、先週末からこっち湯葉食べたりタンゴのCDもらってきたりRENT観に行ったり年とったりするのに忙しくてチェックを怠ってた(でもどれも重要だったんだよう)。暗号は私の担当分野なので、ちょろっと解説します。 今回発表された攻撃は、Side-Channel と呼ばれる手法を使っています。これがどういうものかっつうと、以下のようなケースを考えてみてください。 AさんがBさんに「この平文を暗号化してくれ」あるいは「この暗号文を復号してくれ」と頼んだとしましょう。当然鍵はBさんしか知りません。情報量的に言うと平文と暗号文の組があればAさんでも鍵を割り出すことができるのですが、実際には膨大な計算がかかるので不可能、ということになっています。DES も RSA も、そういう風に鍵を割り出すには膨大な時間がかかるように作られてます。昔ながらのクラシックな暗号学では、平文と暗号文だけがわかるという前提で暗号の強さを見積もっていました。 ところが現実には、平文と暗号文の組以外にもいろんな情報が得られます。一番最初に考えられたのは、依頼してから帰ってくるまでの間の処理時間です。鍵と平文/暗号文の組み合わせによって、早く計算が終わることもあれば、時間がかかることもあって、処理時間が変わってきます。この処理時間まで考慮にいれて計算すると、鍵を割り出すまでの計算量をぐっと減らすことができる、ということが1995年に明らかになりました。これは Timing Attack と呼ばれます。 これを受けて openssl など暗号系のソフトウェアでは「無駄な処理を入れて遅らせる」ことでこれを回避しましたが、これがきっかけとなって似たような攻撃法がいくつも発見されました。これを一般化して、Side-Channel 攻撃法と呼びます。平文/暗号文以外に脇から漏れる情報を利用するから Side-Channel ですな。 中でも面白い危険なのは電磁波解析攻撃とか音響解析攻撃とか言われるやつです。CPUが暗号化・復号処理を行うと、CPUの働き具合に応じて電流が流れて、それによって電磁波が放出されたり、発熱に応じた振動で音が出たりします。これを拾うと、Timing Attack よりもさらに効率的に鍵を割り出すことができるそうです。もちろんサーバに物理的に近づかないといけない攻撃法なので、Timing Attack より敷居は高いわけですが。 先週末に発表されて話題を呼んだ Simple Branch Prediction Analysis も、この系列の攻撃法で、CPUの分岐予測に目をつけたものです。 サーバが暗号化/復号の計算を行うと CPU が頑張るわけですが、普通の CPU だとできるだけ計算を早く終わらせようといろんな仕組が用意されてるもんです。キャッシュというのもその一つだし、分岐予測付きのパイプラインというのもそう。「先に処理を進められる計算のときは先に進めよう」という思想ですね。 ところがこれをやると、「先に進められるような計算だった」という情報が処理速度などの形でバレてしまうことになります。高速化のための工夫が仇になるというわけですな。この一番原始的な形が Timing Attack ですが、これをさらに洗練させたのが分岐予測解析です。Timing Attack だと時間稼ぎでごまかすことができますが、分岐予測のヒット/ミスだとそれではごまかせないと。 幸いなことに、分岐予測のヒット/ミスを検出するのは、そうそう簡単なことではありません。Timing Attack はネットワーク越しの遠隔でもできないことありませんが、電磁波解析攻撃/音響解析攻撃は物理的に近いところで電磁波や音を拾う必要があり、分岐予測解析だと同じCPU上でプログラムを実行する必要があります。それができるケースというのはかなり限定されるでしょう。 なんですけど、コトの本質は「高速化の工夫を逆手に取る」という点にあるので、似たような攻撃は今後もぞろぞろ発見されるんじゃないかと予想してます。 ところでこれ書きながら思ったんですが、電磁波解析攻撃/音響解析攻撃って、サイバーパンクRPG のシナリオに使えそうですな。システムをクラックするためにデータセンタに侵入してサーバのノイズを録音してくるとか。Shadowrun なんかに良さげじゃないかね。でもあの世界だとホワイトノイズジェネレータとかいうわけのわかんないデバイスで無効化できるんかな。

  • Google Book Search で部分盗用が白日の下に晒される? on by mara, [Google, Media] Hatena Bookmark

    やっぱり Slate って素晴らしい Dead Plagiarists Society って記事、タイトルセンスも良いけど、中身も秀逸 Will Google Book Search uncover long-buried literary crimes? て言ってて、つまり、Google Book Search が本格的に始まると、歴史上の文学作品の中からも部分的な表現の盗用なんかが検索一発で簡単にあぶりだされるんじゃないか、って話 似たような話として、書籍のセンテンスを Google 検索にかけて WWWサイトからの盗用が無いかどうかを調べる、って話は、すでに Washington Post で出てるみたい

  • 超音速のジャガイモ on by ultraviolet, [Gadgets] Hatena Bookmark

    最近アメリカでは Spud Gun と言われるものが流行ってるそうで。医学都市伝説の記事 とか参照してみて。 そんな中、FireRescue に、この Spud Gun をスーパーチャージしたところとんでもないことになった、という記事が。ただしこの記事を書いた Nick Brunacini 氏も「聞いた話」として紹介してるんで、本当なのかどうかは不明です。 アメリカ南西部のどっかの町の消防士たちが、Spud Gun をどれだけ強力にできるかいろいろ試していて、「純粋酸素を注入して発火させてみたらどうだろう」と思いついたそうです。そして消防署の器具倉庫で実験してみたところ… 発火と同時に倉庫の電球と窓ガラスが全部割れてしまったそうです。おそらくジャガイモが音速の壁を突破して、それ自体潰れてしまうと同時に、衝撃波を発生させたと。 ほんとだったらすげえなあとは思いますが、Brunacini 氏も This group of firefighters wasn’t the first to fire vegetables out of homemade mortars, and they probably won’t be the last. Education is the key. By sharing lurid tales of mishaps we can all learn. とか言ってるので、教訓用に作られた話なのかもしれない。

  • 自演 vs 自演叩き on by ultraviolet, [Web 2.0] Hatena Bookmark

    イギリスではホテルやレストランのユーザレビューサイトへの投稿が急増しているらしいのですが、Times 日曜版がこれを調査してみたところ、ホテル/レストラン自身による自作自演レビューが蔓延しているという実態が明らかになったそうです。 んー。duke だったら「UGC/CGM の当然の帰結」とか言いそうだけど、どうするんかねえ。 ネットユーザは「店側の自演を暴いて制裁を食らわそう(==炎上させよう)」という方向が大好きで、こういう話にも喜んで食いついてくると思うんですが (Sony Walkman Diary 炎上事件とかね)、わたしゃどうもそういうのが好きになれないんすよ。自演探しって、明白な証拠が無いまま流れで叩くような魔女狩りになりやすい。ユーザ自身による誤情報の修正って、Wikipedia では例外的にうまくいってますけど(なんでかね?)、2ちゃんねるみたいになっちゃうのはすげー嫌。いや実は 先日の一件 もそういうのが絡んでまして。今回の Times 日曜版の記事も、証拠無しのまま「自演っぽい」という例を挙げてるだけで、感覚として説得力は感じるんですが、もしそれが自演じゃなかったらどうすんだよ、とも思った。 もちろん自演ては UGC/CGM に限った問題じゃなくて、メインストリームメディアでも提灯記事というのはいくらでもあるわけなんですが、そっちの方は「そういうもの」的な空気があって割と平穏に受け止められてるような気がします。UGC/CGM だと、ユーザが「俺たち vs 店の連中」的に敵味方の二分法で考えがちてのが問題なんですかね。 Postedit: otsune さんから はてブで 正しい情報を提示してデマを打ち消せば良いのでは。失敗を恐れて何もするなってことか?もしそれが自演じゃなかったらどうすんだよ というコメントを頂いたので、追記します。 現実には、コトが炎上まで行ってしまうと「正しい情報を提示してデマを打ち消せば良い」レベルでは無くなってしまいます。そして現状のネット住民はこの手の話に極めて沸点が低いと言うか、炎上しやすいですよね。otsune さんの言っていることは多分個人レベルでは正しいのでしょうが、あるいは全てのユーザが otsune さんレベルに冷静なモヒカン族だったら機能するのかもしれませんが、現実には機能しないケースが多いと見ています (炎上というのはムラ住人がムラ外部を集団で攻撃する行動だと思う/モヒカンは単独行動だから破壊力も所詮その程度だけどムラ住民が集団暴走すると恐ろしい/そしてモヒカンは自分の言動がムラ住人を暴走に追いやるかもという可能性をほとんど考慮しない)。「失敗を恐れて何もするな」とは言いませんが、「炎上を食い止める策が何か必要」なのは確実だと考えているのですが。

  • Second Life vs CopyBot on by duke, [Business, Games] Hatena Bookmark

    CNET Blog に掲載された ‘Second Life’ creators facing bot that allows copying of items を皮切りに、CopyBot の問題があちこちで大きく取り上げられている。CNET News でも、TechDirt でも。Nicholas Carr まで嬉しそうな記事を長々と書いている。 Second Life は非常に自由度が高く、ユーザが様々なオブジェクトをオリジナルに作り出すことができる。それらを売買することも可能なため、そのコンテンツ製作と売買を基盤とする経済圏が形成されつつある。 しかし少なくとも現在の世界を見渡して考えてみるに、コピー可能なディジタルデータの製作と売買を基盤とする経済というのは、極めて脆弱な基盤の上に成り立っていると言わざるを得ない。その弱点を直撃してコンテンツをコピー・盗用するのが今回の CopyBot であるわけだが、後知恵に任せて考えれば「そんなもの当然の流れだろう」「むしろなぜもっと早く騒ぎにならなかったのか」と言いたくもなる。 その脆弱な基盤を何とかするために著作権といった知的所有権制度があるわけだが、正直なところ、いまいち有効に機能しているという気がしない。Second Life でもさっそく CopyBot の使用は Terms of Service 違反とする とのアナウンスを出したが、これも今後ずっと続くいたちごっこの第一歩に過ぎないだろう。 しかし、コンテンツ製作というのは、本当に今後もビジネスとして成立していけるものなのだろうか。以前からずっと考え続けている疑問なのだが、いまだに答えを見出せていない。 Postedit: CNN Money blog は Second Life’s attack of the clones という楽しそうなタイトルの記事を掲載している。その中で紹介されていた スタートレック世界におけるレプリケータとの類似を指摘している blog が興味深かった。 一方 Boing Boing の Cory Doctorow は、Second Life 側の対応手腕を褒めつつも、この問題が一企業が勝手に決めることのできる Terms [...]

  • Web 2.0 Attack! on by ultraviolet, [Security, Web 2.0, Wikipedia] Hatena Bookmark

    ドイツ語版 Wikipedia にマルウェアへのリンクが貼られてた、って話が、今週頭からあちこちでもりあがってます。CNET Japan の記事 あたりをどうぞ。まあ Wikipedia に難癖つけたい人は duke 以外にも多いかんね。 そんな中、TechNewsWorld が Wikipedia Hit By Web 2.0 Attack とまた大仰なタイトルをつけた記事を。この、単に「マルウェアへのリンクを貼る」程度のことに Web 2.0 Attack という栄えある称号を冠するのって、言っちゃなんですが「お前 Web 2.0 舐めてるだろ!」 例えば「Wikipedia に書き込むワーム」が出現した時のためにこの称号をリザーブしておきたいところ。ブラウザに格納された cookie を利用して端末ユーザのアカウントで Wikipedia に書き込みを行い、それによって拡散するワーム、なんてものが出てくるのも時間の問題でしょー。あるいは Digg に自己拡散用のリンクをポストして、さらにボットとして一斉に vote することでフロントページに押し上げるワーム、とか。そんなんが出てきたときこそ、Web 2.0 Attack と呼ぶにふさわしかろう。

  • テリー・ジョーンズが癌から回復 on by duke, [Health, Monty Python] Hatena Bookmark

    腸癌で闘病中だったテリー・ジョーンズ だが、DailyMail の記事によると 奇跡的な回復 を遂げたとのことだ。実に喜ばしいニュースである。 この記事では同棲中のスウェーデン女性 Anna Soderstrom さん (23歳) とのツーショット写真も見ることができるため、是非ともリンクを辿って一緒に祝っていただきたい。

  • ソーシャルブックマークの自己組織化 on by ultraviolet, [Web 2.0] Hatena Bookmark

    nakanohito も duke も復帰早々にはてなブックマークでぶくま10個超えを達成してるのに、私の記事はどうも票の集まりが思わしくないので、ここは一つ、はてブユーザにおもねるべく、SBM関連の話題を。 The Mu Life に Theory of Self-Selection (in Social Bookmarking) という興味深い記事が出てます。 Digg.com と Netscape は良く似ているのに — というか Netscape の Jason Calacanis が Digg をパクったんだけど — Digg にはテクノロジ関連のニュースが多く集まり、Netscape の方は政治関連ニュースが人気を集める、という具合に、色分けが最近かなりはっきりしてきてます。 The Mu Life の Tanner Godarzi は、この色分けの進行が必然的なものだと捉えています。ユーザは「自分の興味のある話題が多いところ」に集まるもので、そういうユーザが集まれば必然的にそういう話題ばかりになり、という具合に正循環が働くと。自己組織化ですね。 Kevin Rose は Digg v3 においてカテゴリを増やして話題を分散させようとしましたが、これは全然機能しませんでした。Godarzi に言わせればそれも当然。だってテクノロジ関連のニュースを好むユーザばかりがコアユーザとして集まってるんだから。そして Digg の投稿や得票の8割以上は、全体の2割にも満たないコアユーザによって為されているわけです。 さらに Godarzi は、Social Bookmarking なサービスがいくつも並存することについて、それぞれが一つの分野に特化することになるので、良いことなのではないか、とも推論しています。 なるほど。一定の説得力を感じる。ただ記事中に del.icio.us への言及が一切無かった点だけは気がかりだが… もしこれが正しいとすると、はてブの位置づけはどうなるんでしょうね。あれもやっぱり何かの分野に特化している、あるいは現在特化に向かって自己組織化が進行中なんでしょうか。それとも、Digg ほど明確なコアユーザ層が存在しないので、ある程度のダイバーシティが保たれてるという感じなんでしょうか。