先月末に Movable Type の落日 という記事を書き、その中で「英語圏の Movable Type は既にインストールベースでのシェアNo.1の座を WordPress に明け渡している」と述べたところ、結構いろいろなところで騒がれた様子だ。詩的なタイトルは我ながらよくできたと気に入っていたのだが、それが注目を集めたのかもしれない。
もちろん、マーケットシェアの計測法は人によって違い、どのような計測法を取ってもシェア1位というようにはっきりした結果が出るとは限らない。また計測自体が著しく困難ということも多い。Blog プラットフォームのシェアもそのような部類に入る。しかし、推測のための傍証は集められる。
例えば elise.com は、Google の検索でリンク数を数えることで Blog プラットフォームのシェアを計測しようと試みている。サーバインストール型の Blog ソフトウェアにはたいていその配布元へのリンクが埋め込まれているため、それを数えよう、というアイデアだ。 気になる精度については、elise.com でも Technorati との比較などで検証されており、いわゆるイントラブログの数を把握できないなどの指摘もあるが、基本的に悪いアイデアでは無いと考えられる。
その elise.com の調査結果によると、2004年8月の結果では、movabletype.org へのリンクを持つページが284,000件、wordpress.org へのリンクを持つページが124,000件で、MovableType が倍以上の件数という結果だった。ところがこれが2005年2月の結果になると、movabletype.org が370,000件、wordpress.org が288,000件と、かなり拮抗に近付いた。これを見た私は2005年8月の調査を心待ちにしていたのだが、それ自身 Movable Type を採用している elise.com からはなぜか夏が終っても発表が出なかった。そこで私は自分で Google を叩いてみたのだが、その結果は、完全に逆転した、それも私の予想を超えて差が開いたものであった。この記事を書いている2005年10月28日時点では、movabletype.org が425,000件、wordpress.org が770,000件である。
もちろん、これだけで MovableType と WordPress のシェアが逆転したと言い切ることはできない。Movable Type のユーザは DreamWeaver などを使ってリンクの無い Template を自作しているのかもしれない。ただし、MovableType と WordPress それぞれの伸び率を比べた際に、後者の方が圧倒的に大きい、ということはかなりの確度を持って言い切れるかと思う。私の私見としての結論は、既に述べたように「シェアは既に逆転した」というものだ。もし今まだ逆転していないとしても、それは「まだ」というだけの話であって、時間の問題だと見る。

そういうわけで私は「既に WordPress にシェア1位の座を奪われた」と書いたのだが、その時点では見落としていたことが一つだけあった。それは、Splog の存在である。
A Whole Lotta Nothing の10月17日の記事は、Blogger の次に WordPress が Splog 業者に好まれているという点を指摘している。私は実物を見ていないが、伝え聞くところによると、Splog 作成用 Plugin (他のサイトの RSS Feed を取り込んでそれをそのまま記事としてポストしてくれるもの) などという言語道断なものまで存在しているらしい。
Technorati は全 Blog の 2〜8% が Splog だと推定している。最も極端な例を考えてみるが、仮に全 Blog の 8% が Splog で、その内訳が Blogger で 4.1% に WordPress で 3.9% だと仮定してみよう。すると、Blogosphere に存在する WordPress の大部分は Splog ということになり、それを除いた残りは明らかに MovableType よりも少なくなってしまう。
もちろんそれは極端過ぎる例だが、上で書いたような WordPress サイトの急増に少なからず Splog が影響している、ということは間違いない。「きちんとした Blog」としての WordPress の実シェアは、私が見ているよりずっと少ないのかもしれない。


October 28th, 2005 at 8:44
Six Aprtの宮川達彦氏は、「wordpress の8割は splog」という「直感的意見」を表明されています。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/naoya/20051025/1130240027
これの真偽は当方には分かりかねますが、8%どころか8割というのは俄かには信じ難いです。
October 28th, 2005 at 9:51
Blogspot の60%が Spam Blog という話ならあって、調べ直したら42%だったとも言われてるけど、それよりは少ないんじゃない?
でも直感的には10%の大台は超えてそう
October 28th, 2005 at 14:32
Splog の割合を見積もるのは、Blog プラットフォーム毎のシェアを見積もるよりさらに難しいように思う。Technorati がどうやって推定値を出しているのかについても強く興味があるのだが、まさにそこが彼らのビジネスモデルの中核なので、企業秘密と言われそうな気はする。
October 29th, 2005 at 18:25
棄却率を5%も取れば、「WordPress のSplog率は 8% から 42% の間」で行けそうに思います。それで、仮に Google ヒット数がシェアに比例すると仮定すれば、Splog率 42% だとしてもぎりぎり WordPress の勝ちと。
しかしそもそもの問題は、シェアとかSplog率とかいう話じゃなくて、SixApart の戦略が WordPress の急伸に影響されているかどうか、という話だったように思います。それはどうなんでしょうか。まあ、シックスアパートジャパンの言う「アメリカより日本の方が法人Blogの利用が進んでいる」というのは説得力ゼロだと私も思いますが。
October 30th, 2005 at 12:55
SixApart の収益源って MovableType よりも TypePad で、その TypePad も最近困った状態が続いてるから、アメリカ本体ではそっちに注力して、開発は手の空いてる日本で、って考えもあるんじゃないかな。
てのは客観的事実として言えそうに思う。
あと、Perl 開発力だけ見れば本体より日本法人の方が上
日本の法人blogの利用が進んでるってのが信じられないには同意。
April 21st, 2006 at 0:56
[...] Rauru Blog » Blog Archive » WordPress のシェア http://wordpress.rauru-block.org/index.php/727 [...]
February 28th, 2007 at 2:48
[...] アメリカでこの手のソフトシェアNo.1(になったかもという憶測)はダテじゃない。まだ日本語ドキュメントは少ないけれど、それをおぎなって余りある機能。 Movabletypeの最新版でStyleCatcherができたにもかかわらず、なぜかデザインライブラリが盛り上がってないなぁと不審に思っていたけれど、アメリカのユーザはみんなこっちに移行していたのね、と納得。WPなら山のようにテンプレートがあり、それを選べるのもうれしいところ。 [...]