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著作権法とフェアユース

written by mara on

TechCrunch に載った Misunderstanding Copyright Law And Ruining Everyone’s Fun が TechCrunch 日本語版で 誤った理解に基づく著作権法の濫用が興ざめな結果を生む例がまた一つ として訳出されてる

これに、はてなブックマークのコメントで id:takunama さんが Richter Scaleの制作したビデオに関して、問題の写真の使用はほぼ間違いなく「正当な引用」に当たるはずだ。” 動画の中の写真も (こういう場合は) 引用になるのか。日本でもそうだろうか? って疑問を呈してるので、ちょっと解説

日本語版では 正当な引用 って訳されてるけど、原語では Fair Use で、それは日本人が想像するような 引用 とは大きく違う
最近では フェアユース っていうカタカナでも通用するようになってきてて、Wikipedia日本語版はてなキーワード にも載ってるぐらいだから、そう表記した方が誤解を招かずにすんだんじゃないかな (はてなキーワードの方は説明としてちょっと使い物にならないけど)

Michael Arrington が ほぼ間違いなくフェアユースに当たるはずだ って言ってるのは、フェアユースだってことになれば著作権の抗力が及ばなくなる、ってこと
抗力が及ばなくなれば、出典の明記すらする必要が無くなる

今回の件で写真の著作権者である Lane Hartwell は、ビデオを作製した Richter Scale に対して、金を求めてるわけじゃない
ただ、写真の出典を明記して、自分も著作権者としてクレジットしてくれ、と言っただけの話
まあ Richter Scale が拒否すれば損害賠償を求める腹だったのかもしれないけど(後ろに弁護士もついてたみたいだからその可能性は小さくない)、Richter Scale がビデオを取り下げた時点ではそこまでの要求じゃなかった
それに対して、それさえもする必要が無い、出典の明記も必要無い、なぜならフェアユースだから、ってのが Arrington の主張
そして、アメリカの著作権法に照らして考えると、十中八九 Arrington の言ってることが正しい

一方日本の場合は、著作権法でフェアユースが認められてないので、同じことをやれば間違いなく著作権侵害になる
著作権法第30条~第47条で定められている権利制限規定うち、該当するとすれば 引用 ぐらいだけど (これもかなり苦しい)、その場合でも第48条に従って出典の明示が必要になる
もちろん、実際に訴えられることは少ないと思う
写真がたまたま映りこんだだけでその写真の出典を全部クレジットしなきゃいけないってことになると、映画やTVドラマのロケなんて成り立たないよね、そんなの非現実的
なんだけど、日本の著作権法には、それを解決する規定が無い
アメリカ人は、著作権法にフェアユースの規定を明文化することで解決した
日本人は、まあその程度では訴えないよねって言う空気を共有することで日本的に解決することにした
でも今の時代、例えば JASRAC と消費者との間では、空気の共有ができてない
今のところ日本人消費者の態度は、私的録音補償金問題とか、法律的には圧倒的に権利者有利な状況下で「空気読んでお目こぼししてくれよ!」って逆ギレしてる域を出てないと思う
空気なんて当てにならないものに頼るのはやめて、日本の腐った著作権法を何とかすること、それが最優先だと思うけど
そのためなら、例えば私的録音補償金問題で譲歩しつつ権利者側の譲歩を引き出す、ってことも必要なんじゃないかな
もし iPod に200円払うことでフェアユースを成文法化できるなら、絶対その方が長い目で見て日本人のためになると思う


One Response to “著作権法とフェアユース”

  1. pingback from links for 2007-12-17 « 個人的な雑記

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