ITmedia などで流れた「カメラ付き携帯電話の発明者であるフィリップ・カーン」についての記事に対し、Techdirt が No Fact Checking Necessary: Myth Of Cameraphone Inventor Lives On という記事を書いて噛み付いている。その主張は大きく三つ。
- カメラ付き携帯電話の発明者はフィリップ・カーンではない。
- という事実は先月初めに CNet News の Michael Kanellosによって指摘されているのに、それを調べもせずに書くマスコミは嘆かわしい。
- フィリップ・カーンは最近ベンチャー企業を立ち上げており、それが近々お披露目される予定になっている。この話はその新会社のPRのために流されたものだ。
- 誰が本当の発明者かについては「多くの人が同時期に思いついた」とするのが事実を最もよく反映している。技術が進んでくるとそういったアイデアは自然と生じるものであって、たまたま最初に思いついた一人を「発明者」として独占権を与える現在の特許制度はそもそも間違っている。
四つだ。
Techdirt の blog は、ultraviolet は大好きなようだが、自社ポリシーに対する牽強付会が随所で目に付くため、私は毎回注意しながら読んでいる。今回も、四番目の「特許制度は問題だ」という結論に持ってくるために結構無理をしている感がある。
Michael Kanellos の指摘も読んでみたが、これをもって「発明者はフィリップ・カーンでない」と言い切るのも難しいように思える。発明者については様々な見方ができて、その中の一つの見方をすればカーンが発明者だと言えなくもない。そして「生まれたばかりの赤ん坊のために即席で組み立てた」というお話は、大衆にアピールするところが大きいし、記憶にも残る。まあボーランドの頃から彼はそういうことが上手い役者であった。
しかしながら、この話がPR目的に流布されているという事実は、我々も知っておいて損はないだろう。それに特許制度についての話も賛同できる。
それとは関係ないが、Michael Kanellos のポストは、If a cell phone photo falls in the forest, does it make a sound?
といった表現が使われていて、なかなかに楽しい。この記事は CNET 日本語版で訳出されなかったようだが、訳していれば翻訳者が苦労したことだろう。

