安田理央の恥ずかしいblog の エロは不滅ではない を読んで、性風俗およびエロ産業について考えてみた。元記事の主題は性風俗・エロ産業に対する規制についてなのだが、私が興味を持ったのはそこではなく、以下の部分。
エロは必要悪、エロメディアが無くなったら、性欲のやり場を失って性犯罪が増えてしまう。男に性欲がある以上、エロメディアは不滅! と、いう意見も、あの風俗業界の崩壊を目の当たりにした僕らには空しく聞こえてしまうのですよ。
「性風俗産業が無くなったら性犯罪が増える」という言説は間違っていると私も考える。性風俗産業が無くなることで増えるのは、性犯罪ではなく、男性の自殺だろう、というのが私の読みだ。
多くの人は、性欲をもてあました男性がそれを解消させるために性風俗産業を利用する、と考えている。風俗客である男性自身も、そう考えているようだ。しかし私の見るところ、これは正しくない。
性風俗産業には、もちろん性欲を解消させるという役割もあるが、実際にはそれ以上に「性欲をかきたてる」という面も大きい。
「日常生活の中で性欲がたまって仕方が無いから風俗でそれを発散させる」という風俗客は実際のところそう多くない。実際には、「日常生活ではあまり性欲を感じない(例えば配偶者相手には勃起できない)が、風俗なら性欲をかきたてられる」という人の方が多い。「性風俗店に向かう途中で勃起してしまう」という男性もいるらしいが、それは日常生活の中で性欲がたまっているわけではなく、これから性風俗店で楽しい時間を過ごせるという期待によって性欲がかきたてられている、と見るのが正しいだろう。
今回の記事を書くために風俗関連の掲示板をいくつか観察してみたのだが、果たして面白いものがいろいろと見つかった。その一つは、「一回射精すると勃起できなくなってしまう、時間内に二回射精できるようになるにはどうしたらいいか」という問題を真剣に議論しているスレッドである。勃起できないということは、一回目の射精で性欲は解消されているのだから、それでめでたしめでたしなはずだ。しかし風俗客という人達は、わざわざ性欲をかきたてて、二回目の射精までこなしたいらしい。そのために金を払って「延長」する客までいる始末だ。
ではなぜ、性欲のたまっていない男性が、敢えて性欲をかきたてる→解消する、というプロセスを望むのだろうか。それもわざわざ金を払ってまで。もちろん「気持ちいい」という自明な話はあるのだが、私はそれにプラスして「自信」という要素が重要だと捉えている。
男性は、生理的な欲求を満たすだけでは生きて行けない。自分自身に対する自信を欲しがる生き物である。もちろん女性にだって自信は必要だが、男性とは自信の持ち方が若干異なる。女性は「自分が周囲にどう見られているか」が自信に大きく影響する。綺麗になりたがるのもそのためだ。一方男性の場合は、いろいろと不思議なことに自信が左右される。
「自分の生殖器の大きさがそのまま自信になる」という男性特有の心理については、理解できない女性も多いかもしれない。他にも、「亀頭が包皮に覆われているかどうか」「射精するまでの時間がどれぐらいか」「パートナーにオーガズムを感じさせられるかどうか」「そもそも性交渉の経験があるかどうか」といった、いろいろと不思議としかいいようのない部分が、男性の自信には大きく影響する。だからこそ「短小」「包茎」「童貞」といった単語が相手を罵倒する言葉として意味を持つ。
中でも男性の自信に大きく影響するのが、「性欲を感じて勃起するかどうか」という点だ。勃起障害を抱えた男性は自分への自信を大きく喪失する。だからこそ「インポ」の語が強力な罵倒表現として通用するわけだし、だからこそバイアグラが大人気となったのだろう。
同様に射精回数も多ければ多いほど自信につながる模様だ。おそらく「まだまだ自分も若い」という感覚を与えてくれるのだろう。だからこそ、前述した「二回目もできるようになりたい」という需要があるのだと思われる。
他にも、性交渉の相手に「元芸能人」「元スチュワーデス」といった経歴的付加価値があると、生理的な快感には全く関係無いにも関わらず、自信に与える心理的効果はかなり大きい、など、いろいろ面白い話はあるのだが、今回の本題からは外れるので割愛させていただく。とにかく、性風俗産業の力を借りてでも性欲を感じ、勃起し、射精するということが、男性に自信を回復させてくれる役目を負っているわけだ。これは、性風俗産業以外にこのサイクルを実践する機会を持たない男性において、特に顕著となる。本人の感覚としては「自信を持てた」と言うより「気持ちよく射精できて、とてもすっきりした」というものになるだろうが。
成人向けのエロメディアもこれと同様の構造を持っていると私は見ている。男性は「自分の性欲をかきたててくれるエロメディア」を求める。エロメディアによって自分が性欲を感じられる・勃起できる・射精できるということは、男性にとってささやかながら自信を与えてくれるからだ。
さて、性風俗産業やエロメディアが無くなった場合に何が起きるかと言うと、発散の場も無くなるが、発散を必要とする性欲をかきたてる場も大幅に減るので、プラスマイナスおおむねゼロとなるだろう。性犯罪が増えたとしても微々たるものだと見ていい。安田氏は2004年の新宿の大規模摘発の後 じゃあ、その性欲は、今はどこへ向けられているのでしょう
と疑問を呈しているが、その性欲自体がもともと性風俗産業によって喚起されていたマッチポンプ的性格のものだったたと考えれば、納得いかないだろうか。
それよりも、男性が自分へのささやかな自信を確認する場が一つ失われる、という方を私は問題視する。「やり場が無いから性犯罪」のように即座に直結するものではないが、時間をおいてじわじわと影響が出て来るだろう。
ここから先はかなり大胆な予想になるが、私はこれによって男性の自殺率が増加すると見る。そう考えるようになったきっかけは、「つくば研究学園都市は男性の自殺率が高い」という話を聞いたことだ。性風俗産業やエロメディアと自殺との関連性を調べた研究は寡聞にして見たことがないのだが、誰か挑戦したいという方がいらっしゃったら是非お願いしたく思う。
そして、性風俗産業一掃が性犯罪の増加につながるのであれば社会全体の治安悪化ということになるので為政者側もそう無闇に取り組むわけにはいかないが、自殺の増加であれば「自殺するしないは個人の問題」として単純に見捨てられる公算が大きい。これが、「エロメディアは不滅!」に対する私なりの回答である。
もちろん仕事や家庭など日常生活で自分に自信を持てる男性ならば何ら問題無いのだろう。ことの本質は、性風俗産業やエロメディアの有無ではなく、今日の日本では仕事や家庭において自分への自信を育める男性が少ない、という点なのかもしれない。


December 28th, 2006 at 10:47
薄汚れたリュックサックを背負って、化粧もせずに、ブラブラすればいいじゃないか。/12月28日(2006)
●封筒が達筆で好感触。 カップラーメンに具が入っていない場合、どうすればいいの…
January 6th, 2007 at 22:08
エロはいつまで裏であり続けるのか
何ともやるせないニュースである。
「裏本の死」の宣告 息の根を止めたのはネット?|文化|カルチャー|Sankei WEB 昨年秋、インターネットで次のような一文を見つけた。
「告知:
February 20th, 2007 at 23:16
マカで不妊を克服して妊娠
不妊に効くマカについて書いたサイトのリンク集です
November 21st, 2007 at 15:10
性風俗産業の崩壊というけれども、まだ崩壊してないからね。
性風俗規制が厳しいアメリカでは、レイプ率が日本の50倍であることを
考えると、やはりある程度の性欲の捌け口にはなっているのではないかな。
管理人さんが言っているように、男のプライドという観点から考えても、
レイプをして、童貞を捨てることに人生をかけるような奴がでてきてもおかしくないし。
まあ、それはおいといて、私が注目したいのは、海外の合法的な性風俗産業。
例えば、タイには完全に合法なソープが一杯ある。仮に日本国内で完全に風俗が規制
されれば、日本人は大挙してタイや他の風俗合法国に行くだろう。
日本人には、それだけの性欲と金があるから。
そうすると、1兆円規模といわれる風俗市場が海外に移ってしまうことになり、それは経済的に
大きな打撃だと思う。
さらに、個人的には、日本人が大挙して海外に女を買いにいったら、日本の恥を世界に晒すこと
になる。そんな恥さらしをするくらいなら、国内の風俗に行かせて、国内に足止めさせるほうが
好ましいと思う。もちろん、今でも海外に買いに行く人はいるけど、規制されたらそういう恥さらし
がもっと増える思う。
October 6th, 2008 at 21:13
> 男性の自殺率
この延長上で、秋葉原や八王子、古くは池田小学校での事件も多発すると思います。
あの通り魔は道連れ自殺的なモノを強く感じます。
そして、そこにはフロイトが説いたような古臭いリビドー起因の衝動があったと思います。
秋葉原の容疑者の想いの変遷を見ると僕自身も胸をつまされるところがあります。バブル崩壊
以降、僕らの世代はとても孤独で節制家で禁欲的だと思います。30過ぎても結婚せず、
童貞の人間はたくさんいる。趣味は貯金とオナニーくらい。エロマンガやエロビデオは唯一の
性欲の捌け口。
それを規制されるとキツイ部分があると思う。でも、このままでいいのかと問われれば、
結局生身の女性から2次元に逃げてもこの孤独感が一向に払拭できないのもまた事実。
たぶん、答えがでない間は現状維持しかないでしょうね。
October 28th, 2009 at 4:01
性風俗はある意味、女性にとっても大事なんじゃないでしょうか?
風俗で働く事でかかえた借金を返したり、生活したりする人だっているんだから。
他の仕事を探せばいいのかもしれないけど、風俗を合法的に生業としてきた人間にとって
いきなりそれをなしにされるのは、おそらく、大勢の女性が困る。