相変わらず刺激的な Publishing 2.0 だが、今回は Bubble 2.0 Is a Bubble in Media と題して、Bubble 2.0 の現状に興味深い分析を下している。曰く、テクノロジ産業がメディア産業になろうとしており、それがバブルを生み出している、と。
この分析では、テクノロジ産業がメディア産業に取って代わる結果、メディアのディストリビューションチャネルが大幅に増え、つまりメディアの供給が増え過ぎ、消費側の関心・注意力を上回ってしまう、いわゆる アテンション・エコノミー の状態が重要な意味を持って語られている。
旧来のメディアでは視聴者を集めて視聴率を高めることが金を生んでいた。Web 2.0 の世界ではいとも簡単に視聴者を集めることができる。だから儲かることは間違いない、というわけで、資金が流れ込み、バブルを生む。
しかしそれは間違った予測だ、と Scott Karp は批判する。アテンション・エコノミーの世界では、旧来のメディアのような儲け方は通用しない。重要なのはアテンションを集めることであり、視聴者の数を揃えても意味がない。結局儲かるのは AdSense の胴元である Google だけ。Web 2.0 に投資する連中はその点をわかっていない、との指摘だ。
アテンション・エコノミーについては、CNET の江島健太郎氏による紹介 や、当 Rauru Blog でも nakanohito による問題提起 などがあるが、Karp の議論はさらに面白い。「サイトに金をかけたからと言ってアテンションを集められるわけではない」という点に問題があると指摘する。
確かに、digg.com で票を集めたサイトが瞬間的にアテンションを集める、といった状態では、投資とアテンションをうまく結びつけることが難しいだろう。投資無しのサイトが偶然膨大な利益を生むこともあれば、投資を集めたサイトが利益を生むとも限らない。そういった例が時々現れるぐらいだったら面白いことだが、常にそういう状況だと資本主義の根幹に関わる問題となる。
ただし、最後に「人々のアテンションを合理的に配分するメカニズムが必要」とまとめてしまうのは、やや平凡か。


February 1st, 2006 at 2:38
[Opinion] Attentionのもたらす幻惑?(MicrosoftのライバルはGoogleではない)
Microsoftにとって、Googleは、Competitorsではなくて、Threatなのである。この2点を混同しているエントリが多いような気がしてならない。それは、Attentionがもたらす心理的影響が大きいのでは…
March 13th, 2006 at 19:56
[...] Attention Economy に対抗して Doc Searls が Intention Econony という話を持ち出している。Attention Economy では売る側が買う側の Attention を集めようと必死になって主体的に動くが、彼の言う Intention Economy では「買う側が主体的に自分の意志を示して売り手を動かす」のだそうだ。この記事が掲載されているのは Linux Journal だが、Open Source の世界は Intention Economy で動いている、というのが彼の主張らしい。 [...]