Wikipedia を仇と狙う Andrew Orlowski が昨年 Register に書いた記事 Who owns your Wikipedia bio? については 以前簡単に取り上げたが、これに対して Cory Doctorow が Boing Boing で 長文の反論 を書いている。
反論の主旨は、1) Orlowski の記述は事実に反している 2) Wikipedia 上で事実に反した記述を修正することは容易だが、Register のようなメインストリームメディアの記事は容易に修正できない 3) 故に Wikipedia の方が優れている、という、Wikipedia 擁護論のオーソドックススタイルと言えるだろうか。
Jimmy Wales が自分のエントリを修正した問題 で表面化した「自分自身についてのエントリを修正すべきかどうか」の点 については、「事実と反することを書いた Orlowski がとにかく悪い」と言う方を強調して、うまく逃げている。まあ Doctorow らしいとは言える。
しかし、Doctorow が「メインストリームメディアよりも Wikipedia の方が透明性がある」と主張しているところを読んで思ったのだが、Wikipedia の透明性を賞賛する人が Wikipedia の匿名性をも擁護するというのが私にはどうにも納得できない。私も透明性は非常に重要だと思うし、だからこそ匿名性を何とかする必要があると考えている。匿名性を撤廃しろとまでは言わないが、accountability はなんとか書き手に意識させたいし、また以前 mara が書いていたようにトラッキング可能性も重要だろう。それができれば、 Wikipedia は今よりさらに素晴らしいメディアになるはずだ。ただ、Wiki というスタイルのままそれが可能かどうか、私には必ずしも確信が持てない。「Wikipedia は百科事典を目指すよりも Wiki であり続けるべき、Wikinews もニュースを目指すよりも Wiki であり続けるべき」とは Nicholas Carr や Mitch Ratcliffe も言っていることで、そちらの方により強い説得力を感じる。
2006/01/13 追記:
Wikipedia と匿名性の問題について、Bruce Schneier が Wired に Anonymity Won’t Kill the Internet と題して興味深い記事を書いている。明日時間が取れたら紹介しよう。
2006/01/16 追記:
捕鯨問題に時間を取られていた間に 日本語版 HotWired で訳出されたようだ。そちらをお読みいただきたい。

