これはもともと Structured Blogging についての解説だったのだが、その中で Porter は「まず使う人本人にとってメリットのある道具でなければ使われない」ということを述べ、それを The del.isio.us lession と呼んでいる。
del.icio.us は今でこそ Social Bookmark としてもてはやされているが、それ以前に個人の Bookmark 管理ツールとしてまず優秀だった。だからこそ多くの人に使われた。多くの人に使われるようになって初めてネットワーク価値が見出された。
他の Social Application も、Social な側面を強調する以前に、まず個人で使っているだけでもメリットを見出せるツールでなければならない。例えば blog が爆発的に普及したのも、trackback や RSS などの social なサービスとして以前に、CMS としてまず便利だったからであろう。「今日見つけた web ページの log をつける」という del.icio.us に近い作業の利便化が weblog の起源であるし。
ところで、Wikipedia や digg.com はこのモデルに当てはまらないのではないかと疑問に思う人も少なくなかろう。Mashable* の方についたコメントではそれも指摘されており、「ユーザベースの大きさ」が重要になってくるとの見方が示されている。しかし私が見るに、digg.com 成功の背景には独自の生態系が重要な役割を演じているように思える。おそらく Wikipedia にもまた別の形での独自生態系が存在しており、Administrator Noticeboard などを長期に渡って観察すれば面白い構造が見えてくるのではないかとも睨んでいるのだが。個人の利便性を度外視した貢献を各個人に求めるには、そのような生態系の中で各個人の占める位置というものが重要になってくるのではなかろうか。
2005/01/11 追記:
ECナビリスト とのサービスが、CNET Japan の記事 本にタグを付けて分類、共有する「ECナビリスト」–今後はCDやDVDも の中で紹介されている。この前身となった ECナビ人気ニュース は使う側のメリットとして del.icio.us に近いものがあったと思うが、今回の ECナビリストはいまいち使う側のメリットが弱いように感じる。bookmark したい URL を開いた状態でボタンを押せば登録画面に飛ぶ、という使い易さが del.icio.us 普及に大きく貢献した (同じ仕掛けは ECナビ人気ニュースでも採り入れられている)。しかし自分の蔵書に tag 付けするために わざわざ ECナビリストのサイトにアクセスするものだろうか。おそらくECナビ側では、たまたま自分の持っている本をECナビリストサイト上で見つけた際に tag 付けしてもらう、というコンセプトなのだと思われるが (そのための drag and drop ツールは用意されている)、それだけでは弱いと思える。
